文字サイズ

ホーム > 最新情報一覧 > <報告>第10回JICA-JISNASフォーラム「農学系留学生ネットワークを活用した新たな国際教育・研究協力の展開」

<報告>第10回JICA-JISNASフォーラム「農学系留学生ネットワークを活用した新たな国際教育・研究協力の展開」

令和3年12月20日(月)、オンライン(Zoom)により、10回JICA-JISNASフォーラム 「農学系留学生ネットワークを活用した新たな国際教育・研究協力の展開」が開催され、大学関係者、JICA関係者、国際機関、民間企業等より80名超の方々にご参加いただき、講演、パネルディスカッションが行われました。
 JICA及び大学における農学系留学生ネットワーク化の取組を紹介するとともに、留学生をパートナーとした新たな国際教育・研究協力等の可能性について議論されました。その概要をご報告いたします。

当日の動画閲覧について

動画閲覧URL

フォーラムの動画の閲覧URLは下記の通りです。(IDおよびパスワードが必要です。)
   https://jisnas.com/movie/GMT20211220-040513_Recording_2560x1440.mp4

動画閲覧希望の方への登録フォーム

動画閲覧ご希望の方は、下記登録フォームより必要事項をご記入の上、送信下さい。ご登録いただきましたE-mail宛に、上記閲覧URLのIDおよびパスワードをお知らせいたします。

■登録フォーム:
   https://forms.gle/K3A3c5GceTn9gDRy6

概要報告

講演

【講演1】 佐野 景子  JICA経済開発部・部長
「JICA農学系留学生ネットワーク(Agri-network)を活用した新たな開発協力について」
 1.JICAの課題別事業戦略(グローバルアジェンダ)の策定、2.現在のJICA留学生事業、3.留学生事業の戦略性強化、について説明がありました。1.については、個別事業や国を超えてグローバルな事業のまとまりとして中長期の成果を出すべく、日本の経験を共有・発信し、国内外のさまざまなステークホルダーが参画するプラットフォームを構築していくことが、2.については、新型コロナウィルスによる途上国農業・農村開発への影響は大きいが、変化に対応したレジリエンスを考慮した支援が必要であること、またJICA事業においては、研修や調査の一部を遠隔で実施している旨説明があり、遠隔であっても効果的な事業の継続が可能であることが報告されました。その実例として、オンラインでの協議を通じた案件形成、遠隔研修参加者の意欲を高める工夫、遠隔のメリットを活かした柔軟なプログラムの策定等の事例について紹介がありました。

【講演2】 近藤 直  京都大学大学院農学研究科・教授
 ○演題:「留学生とのネットワーク構築の取り組みについて−京都大学農学研究科G30プログラム以降の例より−」
 30万人の留学生を日本の大学に呼び込むG30プログラムが2010-12年に実施されて以降の京都大学における留学生ネットワーク構築の取り組みの実例が紹介されました。大学の海外拠点、大学間や部局間での交流協定、奨学金・経費付プログラムなどを利用した留学生増加に向けた大学の取り組みとして、留学生や海外の学生に向けたシンポジウムの開催、特別講義の実施、異文化交流セミナー、国際交流室からの発信、日本人学生との交流イベントの実施などが紹介されました。また国際共同研究・協力のためのネットワーク構築として、大学・部局・研究室等、種々のレベルの国際ネットワークや研究ネットワークの活用により日本人学生や若手研究者との堅固な関係、学会の活用や元留学生等のネットワーク等を築いていく必要性について共有されました。

パネルディスカッション:「農学系留学生ネットワークを活用した新たな国際教育・研究協力の展開」

パネリスト
  山内 章   名古屋大学大学院生命農学研究科・教授
          /アジアサテライトキャンパス学院長(JISNAS運営委員長)
  近藤 直   京都大学大学院農学研究科・教授
  蒔田 浩平  酪農学園大学獣医学群獣医学類・教授
  北中 真人  千葉大学大学院園芸学研究科 教授
  伊藤 圭介  JICA経済開発部・次長
  野口 拓馬  JICA筑波・研修業務課長

モデレーター
  石川 智士  東海大学海洋研究所/海洋学部・教授(JISNAS副運営委員長)
  伊藤 香純  名古屋大学農学国際教育研究センター 准教授(JISNAS事務局員)

【概要】
 留学生ネットワークの活用および国際教育・研究協力の展開について、夫々のパネリストの先生方の経験や取り組みについて、具体的な事例等についてもご紹介いただきました。政府や関係機関との連携、さまざまな分野での連携が必要であり、現場での問題点も伺いながら、さまざまなネットワークの活用について議論・共有いたしました。
 留学生間のネットワークだけでなく、留学生と日本の学生や研究者、企業とのネットワークの構築が重要となっていく中で、在外の人材をどう育成するか、ポテンシャルのある帰国留学生とどのように共同の事業展開をしていくか、という点についても議論されました。今後の展開として、帰国留学生や海外の人材と、日本の研究者や企業との結節点となるような取り組みの必要性が見いだされました。

総括

大学の研究力に対する評価は厳しさを増し、特に質の高い国際共同研究をどのように展開していくかが非常に重要になっています。本フォーラムでの議論が、帰国した留学生との共同研究や人材育成プログラムの発展に貢献していくことを期待しつつ、JISNASがさまざまなネットワークの結節点になれるよう努力してまいりたいと存じます。JISNASでは、フォーラムでのご意見等を参考にしながら、分科会の活動に繋げて参ります。
 昨年に引き続きオンラインでの開催になり、多くの皆様にご参加いただき大変感謝いたしております。JISNASメンバーと、行政や関係機関等とのさらなる連携、交流を図り、JICAとの連携により今後もこのような機会を提供して参ります。


カテゴリ: JISNASの活動 |掲載日: 2022年2月 9日