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<報告>第13回農学知的支援ネットワーク(JISNAS)総会

令和3年1220日(月)に第13回(令和3年度)農学知的支援ネットワーク(JISNAS)総会を開催いたしました。コロナ禍の状況にて、前回に引き続きオンライン(Zoom)開催となりました。その概要を報告いたします。

審議・報告事項

下記について審議および報告を行った。
 1.令和3(2021)年度事業報告および令和42022)年度事業計画
 2.令和42022)年度総会の開催時期と開催地

1.令和3(2021)年度事業報告および令和42022)年度事業計画

(1)執行部

■第5回国際農林水産業研究に関する連絡会議 [R3.4.12]:
 農林水産省農林水産技術会議が主催で開催する連絡会議であり、JISNASより山内運営委員長、江原事務局長が出席。ポストコロナ社会における国際協力や国際連携の在り方についての状況報告および取組等についての報告を行った。

■FAOとの連携(FAO-JISNAS合同セミナーの実施):
本年度より、FAO(国連食糧農業機関)駐日連絡事務所と合同で、定期的にセミナーを開催することとした。FAO-JISNAS WGを立ち上げ、WG(正副運営委員長、事務局長、セミナー・シンポジウム分科会長および幹事、国際協力分科会長、国際研究分科会長)を中心に、世界規模の農林水産業や環境の問題について広く情報共有を図った。
 ・第1回:キックオフセミナー(R3.5.12)
   日比絵里子 FAO駐日事務所長
   三次啓都  FAOシニアアドバイザー
 ・第2回:特別企画「国連食料システムサミットのための国内対話」(R3.5.28)
   大澤誠   農林水産審議官・FSS国内対話責任者
   北島薫   京都大学教授・FSS科学者グループメンバー
 ・第3回:OECD-FAO農業アウトルック報告書 出版記念イベント(R3.7.14)
   ※JISNAS-FAO合同セミナーの一環としてご案内
 ・第4回:「気候変動と食料・農業-IPCC最新報告書から」(R3.9.17)
   エドアルド・マンスール FAO気候変動・生物多様性・環境担当部長

■「国連食料システムサミット(FSS)」に向けてのJISNASの貢献:
  (FAOと合同での国内対話実施およびコミットメント提出)
 「国連食料システムサミット」(FSS:Food Systems Summit)は、SDGsの達成のためには持続可能な食料システムへの転換が必要不可欠であるとするアントニオ・グテーレス第9代国連事務総長の考えに基づいた国連主催のサミットとして、2021年9月にニューヨークで開催された。
 それに先立ち、7月のローマでのプレサミットにて食料システムの持続性の確保を世界的な共通の課題と捉えて活動するための参加国からのコミットメントが示された。日本より野上農林水産大臣が出席し、我が国の目指す食料システムの姿(※1)、日本の自治体、企業、教育研究機関等の67団体からのコミットメント(※2)が紹介された。
 JISNASでは、FAOと共同でJISNAS・FAOコミットメントを提出し、持続可能な食料システムへの変革を推進するための具体的な行動の一環として、持続的かつ強靭な食料システムの構築、変革に向け、情報・知識、議論の集積に加え、それらを社会実装に結び付けるような研究や教育を推進する考えを示した。
 9月の国連総会に合わせて開催されたFSSは、日本より菅総理大臣が出席し、「みどりの食料システム戦略」(※3)を通じ、持続可能な食料システムの構築を進めていく、と発言した。そして、国連と各国政府、多様なステークホルダー等との対話プロセスを踏まえ、国連事務総長から食料システムの変革に向けた今後の取組の方向性を示した「行動宣言」(※4)が発出された。
 (※1) https://www.maff.go.jp/j/kokusai/kokusei/kanren_sesaku/FAO/pdf/goal.pdf
 (※2) https://www.maff.go.jp/j/kokusai/kokusei/kanren_sesaku/FAO/commitment.html
 (※3) https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/midori/index.html
 (※4) https://www.un.org/en/food-systems-summit/news/making-food-systems-work-people-planet-and-prosperity

(2)セミナー・シンポジウム分科会

■第10回JICA-JISNASフォーラム[R4.12.20]の実施:
 「農学系留学生ネットワークを活用した新たな国際教育・研究協力の展開」をテーマに、講演、パネルディスカッションが行われ、大学関係、JICA関係、国際機関、民間企業等より80名超の方々にご参加いただいた。JICA及び大学における農学系留学生ネットワーク化の取組を紹介するとともに、留学生をパートナーとした新たな国際教育・研究協力等の可能性について議論された。
 ○報告記事:https://jisnas.com/report/599.html

(3)雑誌分科会

■学術雑誌「農学国際協力Vol.20」の編集経過:
 令和3年度末に発行予定。
 ○Vol20.案内:https://jisnas.com/report/607.html

■農学国際協力誌の論文投稿料:
 本年後より投稿料を徴収することとした。
 ○投稿規定:https://icrea.agr.nagoya-u.ac.jp/jpn/journal/

■J-Stageへの登録:
 昨年度より準備を進めていたJ-STAGEへの搭載手続きが完了し、J-STAGEからのアクセスも可能となった。搭載手続料として3,500円/件×58件は昨年度末に支払い済み。

(4)国際協力分科会

■スリランカ農業研究会の立ち上げと第1回勉強会の開催:
 継続プロジェクトへの協力体制構築のため、専門家との情報収集や意見交換の場としての研究会を立ち上げ、第1回勉強会(R3.8.25)を開催し、35名出席した。継続実施を予定。

■スリランカに対するJICA技術協力への協力:
 「ジャフナ大学農学部による乾燥地域農業の教育・研究能力向上プロジェクト」
 計画フェーズ(2022.3-9)、実施フェーズ(2022.10-2027.3予定)にて、JISNASとして、国内支援委員会委員候補者の推薦、大学リソースのアンケート調査を実施に協力予定。

■ミャンマーに対するJICA技術協力への協力:
 「イエジン農業大学能力向上プロジェクト」(2015.11.22-2021.8.31)
 本プロジェクトに対し、国内大学リソースのアンケートへの協力、国内支援委員会への参加、派遣専門家の推薦、国内研修受入れ協力等の支援を行った。

(5)国際研究分科会

■国際共同研究におけるアレンジ:
 JISNAS-FAO第4回合同セミナー「気候変動と食料・農業-IPCC最新報告書から」(9/17)
 FAOとの食料サミット連動企画において、縄田分科会委員により熱帯農学と気候変動研究者(三重大学 立花教授)による講演をアレンジした。

■次年度に向けての計画:
 国際共同研究のマッチング、実践的な勉強会の企画、オンラインでの共同研究の問題点の検討 等

(6)人材育成分科会

■2021年度JICA課題別研修「アフリカ地域稲作振興のための中核的農学研究者の育成」の実施
[2021.10.21-11.26] :
 フェーズ4の1年目。8ヶ国15名の研修員が参加。コロナ禍の状況にて、コア研修だけでなく、演習や実験の技術的な内容である個別研修も、動画教材を作成してのオンライン実施を行った。
 ○研修報告(農学国際協力誌に掲載):
  https://icrea.agr.nagoya-u.ac.jp/jpn/journal/backnumber.html#entry000379

■国際系学生団体の持続的運営に向けた取組みとコロナ禍において学生が主導する国際協力人材育成への取組み(仮題):
 国際ボランティアサークル、農学部公認国際協力人材育成サークルBRIDGEの概要紹介、また、雑誌「農学国際協力」国際人材への投稿予定について紹介。

■HP等での人材募集等情報の周知:
 ・公募情報 5件(JICA、NARO、東京大学、九州大学、信州大学)
 ・キャリアセミナー情報 7件(JICA、ECFA他)

2.2022年度総会の開催時期と開催地

本年と同時期位で、会員の皆様の便宜等も考慮しながらオンラインと併用で実施を検討している。

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本件についてご質問等ございましたら、JISNAS事務局までご照会ください。

ご質問、お問合せ

農学知的支援ネットワーク(JISNAS)事務局
 464-8601名古屋市千種区不老町
 TEL: 052-788-6166  FAX: 052-789-4222
 E-mail: jisnas@agr.nagoya-u.ac.jp
 Web: http://jisnas.com/


カテゴリ: JISNASの活動 |掲載日: 2022年4月18日